I wish you were pizza.

よく喋る子どもがふたり、先天性心疾患の末っ子は入院中です。

3月の読書記録

①誠品書店のボーダレス特集で、「娘をフェミニストに育てるには?」との帯にハッとして手にとった一冊。きちんとフェミニズム関連の本を自分の手で選び取ったのははじめて(大学の課題で教科書に近い本は読んだけど)。

 

②保育園選びはこれで正解だったんだろうか、そもそも義両親からは保育園に入れて復職することについて理解が得られてないけれど3歳神話についてはっきりと反論できない自分も嫌だ。妊娠、結婚、出産…勢いでここまできて第二子妊娠、果たして家族みんなが幸せに過ごすためにはなにを重視すればいいのか。モヤモヤとしている自分にドンピシャだったのが『「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった 結婚、出産、子育ての真実』。 

 新書を読むのが久しぶりで構えてしまったけど、すごくソフトでわかりやすい語り口に驚く。データについても都合よく取り上げるだけでなく、冷静さと公平さをもってみる必要を何度も唱えていて、信頼感をもって読める。世の中の幅広い人たちに届けようとの著者の思いを感じた。

自分の中でのモヤモヤが消化できたように思う。保育園に通わせてみて、また改めて読んでみたい。

 

③なんだか画期的な保育園を運営されている方が書いた本とのことで手にとった『すべて、こども中心。』。子どもにはヒマが必要、というのが気になって誠品書店にてざっと立ち読み。

園の様子の写真が完成されすぎていて、これは思想の強い感じかしら…と恐る恐る読み進めたけれど、地に足のついた考え方で納得のいくものばかりだった。

今は子どもと向き合う時間!と大人の都合でメリハリをつけると、ついつい欲張って色々詰め込んでしまったり。ヒマも必要なんだ、と新しい視点を得られた。

 

ブレイディみかこさんの新連載が話題になっていた『文學界(2020年4月号)』。

文學界 (2020年4月号)

文學界 (2020年4月号)

  • 発売日: 2020/03/06
  • メディア: 雑誌
 

短いエッセイだけど、まだ消化不良。じっくり考えられるときに…と手元に置いておきたくて、お買い上げ。すごく面白いトピックだ!と夫にも見せたら『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』もこんな感じだったよ、とのこと。早く読まなくっちゃ。

 

⑤自分が日記をつけているせいか、時系列の記録モノに弱い。山崎ナオコーラさんが不妊治療から妊娠中、お子さんが一歳になるまでの記録を綴ったもの。

母ではなくて、親になる (河出文庫)

母ではなくて、親になる (河出文庫)

 

 「とにかく、心を開いて書きました」とあとがきにある通り、子の成長を素直に見つめる気持ち、子育てよりも仕事の心配が大きい気持ち、他の作家仲間との差を気にする気持ちなどなどを読んでいる側がびっくりしてしまうくらいそのままに書かれている。わたしは匿名のブログですら読まれるのを意識して少しカッコつけたりしてしまうところがあるのに、取りつくろわなさがすごい。だから読んでいて面白い。

集団生活によって「男は〇〇」「女は〇〇」と性別イメージに子どもを染めてしまうならば自宅で著者の選んだ性別イメージのない子育てをしたいと思っていたのが、「汚れてもいいかもしれない」「ばかな文言で汚された子どもを、石鹸で洗い流してあげたらいい」と言うのにハッとさせられた。家父長制の色が強い義実家の価値観に娘が触れてしまうのが嫌だとずっと思ってきたけれど、わたしの役目は引き離すことではなく洗い流すことなのかもしれない。

 

⑥『夢見る帝国図書館』で上野周辺の街の成り立ちに興味を持って手に取ったのが『谷根千のイロハ』。

谷根千のイロハ

谷根千のイロハ

  • 作者:森 まゆみ
  • 発売日: 2020/02/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

谷根千のそれぞれの歴史や関わり合いがわかると、歩いていて目につくものも増える。義実家の人々、地元歴の長いママ友ファミリーたちが持っている共通認識みたいなものが少し囓れた気がする。

 

⑦三連休に誠品書店に行ったら語学学習コーナーができていた。NHK外国語講座は4月始まりだし、春って何かを始めるのにぴったりな時期。ちょうど資格勉強しようかなあ、でもまずは英語かなあと夫に相談していたのでつい立ち止まる。いわゆる語学学習の本、に加えて『ヘミングウェイで学ぶ英文法』『村上春樹の短編を英語で読む』などなど気になる変わり種もたっぷり。わたしのお粗末な英語力を基礎から叩き直せたらまた改めて…と見送る。その中で手に取ったのが『総理通訳の外国語勉強法』。語学学習の参考に、というよりも外務省の人の語学学習に興味があったのと、通訳という職への憧れ(米原万里さんの本を読んで)と、未知すぎるアラビア語の世界が理由。

総理通訳の外国語勉強法 (講談社現代新書)

総理通訳の外国語勉強法 (講談社現代新書)

  • 作者:中川 浩一
  • 発売日: 2020/01/15
  • メディア: 新書
 

 でも結局語学学習についてもなるほど、と勉強になることばかりだった。自分が失敗してきたのはこれだな、と思い当たるポイントがいくつもあった。

・インプットとアウトプットを解離させない

・自分発信ノートと自分オリジナル単語帳

・無駄な知識を脳に残さない=ビジネスパーソン向け                          

何よりも著者のものすごい努力に終始圧倒された。まっさらな状態から日本トップの語学能力を身につけるまでのサクセスストーリーを追うだけでも読み応えあり。

 

だいぶ遅れた振り返り、あとで書こう…と思っているうちに生活にまみれて忘れてしまうから、記録は鮮度が大切ね。 4, 5月は在宅勤務×自宅保育×妊娠後期のカオスで読書できる時間も気力もなく落ち込んだけれど、読めていた自分を思い出すと自信が取り戻せる。6月の記録も忘れないうちに残さねば。