I wish you were pizza.

よく喋る子どもがふたり、先天性心疾患の末っ子は入院中です。

ミルク育児をはじめて読書に燃える 昨年末からの読書記録

マタニティスイミングに通っていたころ、ランチのときに「子どもが産まれたら、ゆっくり読書する時間もなくなっちゃうんだろうなあ…」とつぶやいた人がいたのが印象に残ってる。

就職してからの読書の優先順位ってどんどん落ちていって、読書の時間をとるよりも仕事でなんとかうまくやりたい気持ちが強くて安易に自己啓発本を読んだり。楽しみの読書としては、プログラミングに疲れて活字に飢えて読むくらい。本読まなくなっちゃったなあと後ろめたさは感じつつ、産休に入ってまとまった時間ができても読書するまでにはなかなか至らなかった。

だから、本を読む時間がなくなっちゃうのを惜しむ人が遠い存在に思えた。産後の暮らしがまだそこまでリアリティを持ってイメージできていなかったのもある。

 

だけど、育児中のいま、読書に燃えている!最初は授乳のときのツイッターからはじまり、ツイッターの話題から波及してブログを読むように、dマガジンで雑誌を読んで。

今まではそこまで大事に思っていなかった雑誌のエッセイを心の支えのようにしていたり、気付くと週刊誌の連載を欠かさず読めている自分がいて、もしかして隙間時間を使えば本だって読めちゃうのかも?なんて。

第二子妊娠を機に卒乳を試み、ミルクが軌道に乗ったらお昼寝もしっかりしてくれるように。卒乳したら寝かしつけも夜泣き対応も、「ママじゃなきゃ」できないことが減っていって、妊娠とその他色々(これについてはひと段落したらきちんと書きたい)で夫の意識も変わったのか育児の負担も少し減って。

 

近所の本屋で、これなら今のわたしにも読めるんじゃない?と手にとったのが辻村美月さんの『クローバーナイト』。

クローバーナイト (光文社文庫)

クローバーナイト (光文社文庫)

  • 作者:辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2019/11/12
  • メディア: Kindle
 

 保育園に子ども二人を通わせるパパが主人公の短編集。保活の話はちょうど保育園出願シーズン真っ最中だったのでどんよりしながら、ママ友同士のやり取りは頷くことも多く、クローバーナイトって響きは最後までちょっと違和感あり。でも、一冊読み終えられたー!ってめちゃくちゃ嬉しかった!

 

一冊めが読めたら…と買っておいたのが、西加奈子さんの『i』。 

i (ポプラ文庫)

i (ポプラ文庫)

 

中村文則さんが帯を書いていたのと、数学教師の「この世界にアイは存在しません。」と言うのにアイという名の主人公が衝撃を受けるってストーリーが面白そうだなと思って。本来は恵まれない出自なのに養子で裕福な家庭に育ち、自分の産まれた国、育ての親、育った環境のどこにも属せないような。転校生だったりハーフだったりで自分のルーツを見出せずに揺れ動く気持ちはわかるし、血のつながりですらもその対象になってしまうのは果てしない孤独があるだろうな、それでも恵まれた環境にいることで単純に悲観することはできない葛藤って…と気になって気になってどんどん読んじゃった。人を愛して愛されて、強い自分になって新しい関係を築いていく、その過程は平凡な自分にも重なるところがあった。

 

育児中だって本屋さん楽しめるじゃない!と発見のあった新宿のSTORY STORY(キッズスペース、授乳室ありのブックカフェ)で見つけたのが原田マハさんの『総理の夫』。 

総理の夫 First Gentleman (実業之日本社文庫)

総理の夫 First Gentleman (実業之日本社文庫)

 

原田マハさんが美術モノ以外の本も書いてる!くらいの気持ちで読み始めたけど、面白かった。女性総理の凛子がとにかくカッコいい。夫のとにかく凛子を大事に思う目線も素敵。2020年から日記つけようと決めた一因。男の人ってこちらからするとええっ?てタイミングで男女を意識して一歩踏み外すなあとやきもきしちゃった。これってもう仕方のないものなのかなあ…

 

 旅行中は移動時間と娘のお昼寝が重なるとガッツリと本を読めて、俄然燃えた!夫の社員旅行にくっついて行った帰りに持っていった本を読みきってしまい、空港のコンビニでダッシュで調達したのが、沢村貞子さんの『わたしのおせっかい談義』。

わたしのおせっかい談義 新装版 (光文社文庫)

わたしのおせっかい談義 新装版 (光文社文庫)

  • 作者:沢村 貞子
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/09/08
  • メディア: 文庫
 

 読書の火がつく以前に子育て中にポツポツと読んだ本はこういう女性のエッセイ本で、せっかく時間のやり繰りをして読んでも得るものがあまりないようなモヤモヤがあった。けれど、沢村貞子さんの本を読んで、読むものを間違えていたんだと気がついた。森茉莉さんの浮世離れしたワードローブ観も 、(誰の本だか覚えていないけど)女優のように美しくありましょうというのも、今の自分には全くフィットしていないわけだ。

お米の研ぎ方とか、自炊を大切にする心得、ほんの少し身なりを整えること、和服を心地よく着る方法…真似したり参考にしたりができる「生活」があることが今の自分にとっては大事なのかも。若い人の肌が綺麗なのを見て、やってられるか!なんて下りは、はあ?と思ってしまったけれど、ならば美肌と教養を得てみせよう、なんていう風に反感も糧に。近道すぎない自己啓発本というか、読んだあとに積み重なったものがある感覚を得られるエッセイを選びたいなと思った一冊。

 

今の関心ごとは生活と、自分より上の世代の方の考え方を知ること。義実家に無理なく歩み寄れたらいいなあなんて気持ちもあり。本屋さんに行くと読みたい本がざくざくと見つかってワクワクするのと焦るのとでわーっとなってしまうけど、まずは年始に買いためた本たちから地道に消化していこう〜