I wish you were pizza.

よく喋る子どもがふたり、先天性心疾患の末っ子は入院中です。

鈴木おさむ『ママにはなれないパパ』

 

ママにはなれないパパ

ママにはなれないパパ

 

放送作家鈴木おさむさんが息子さんの誕生を機に「父勉」と称し1年間お仕事をお休みし、「父の気づき」を書きためたもの。

 

奥さんの森三中大島美幸さんとの日常のやりとりが絶妙に心当たりのあるところを突いてくる。夫婦の会話の、「~って言ってたじゃん!」の積み重ねとか。でも別に仲が悪いわけではなくて、夫婦になって共同生活をするってこんな感じなのかなと、自分たち夫婦を客観視するような気分だった。夫婦のやりとりって本当に些細なことで、子どもが産まれてからそれをより強く感じる。

「家庭の丸バツクイズ」と表現されていたけど、旦那さんってそんなクイズに答えるような気持ちなんだろうな。「前こう言ってたからこうしよう」(ゴミがいっぱいだったら変えて欲しい)→「今は違う!」(もう少しパンパンになるまで使うつもりだった)とか。家庭の丸バツクイズの正解は主婦に委ねられる難解さがある。ちょっと反省。

だけど、その微妙な采配を伝えるのってほんと難しい。

 

出かける前で支度のダンドリを組みながら時間と戦っていたときのこと。

旦那さんの起床前に自分の支度→旦那さんシャワーの間に授乳と娘の支度、朝ごはん準備→朝ごはんののち自分の支度仕上げ の流れで、わたしの支度の間旦那さんは洗い物を片付けてくれていた(えらい!)。バウンサーに座っていた娘は泣き出してしまい、気にかかりながらも自分の支度を仕上げる。

戻って泣いている娘を抱くと、うんちがオムツから漏れてしまっている!これ、早く替えておけば漏れなかったんじゃない?洗い物は急ぎではないし、なんで手を止めて抱いてあげなかったの?結果着替えで時間かかってるし・・・

そもそも、女性は身支度に時間がかかるからと早起きして、合間に娘の支度や家事をこなしてるのに、なんで旦那さんは自分のタイミングで動いてるんだ?(論点飛び火)

という感じで、不機嫌MAXになってしまった。けれども、その気持ちをちゃんと伝えるのって難しい。難癖つけてるみたいになっちゃう。ちゃんと伝えてる大島さんと、それを一生懸命受け取る鈴木さんはえらい。見習おう。

 

それから、さすが放送作家さん、息子の笑福くんの描写が的確かつ面白い。

 

お母さんが長期出張で不在なことに気がついてローテンションな笑福くんに

『デート中の機嫌悪い彼女みたい』

大好きなシャボン玉にタックルしてく笑福くんに

『フェスに行ってテンション上がりまくりの女子以上』

手を引っ張られて大げさに痛がる笑福くんに

『当り屋登場です』

 

子どものことを子どもとして見るだけじゃなく、大人と同じ「人」として見て接したら、お互いにもっと楽しくなるかもしれないなと思った。

自分がドラマの登場人物だったら?と一歩ひいて客観視する鈴木さんを真似してみようと思う。まあ、精いっぱいな時もあるけど!